筆者のところには毎日30通ほどのスパム・メールが来る。内容は,「大儲けできる」「借金を減らせる」といったうたい文句の金融商品,就職/転職に関するものや,性や肥満の悩みを解決する薬・・・など。しかし,1日30通程度だし,個人のアドレスにしか来ないので,仕事に支障を来すということはない。ところが,今,米国では結構大変なことになっているようだ。
振られた相手と憎きライバルが結婚?――米Oracleが引き起こした三つどもえの買収騒動
6月に入って,米国の企業向けソフトウエア業界に異変が起こっている。米PeopleSoftと米J.D. Edwardsとの買収合意に端を発する,PeopleSoft社と米Oracleの買収攻防戦である。争いはますます激化し,今や,株主,州政府,ユーザー・グループをも巻き込んだ大騒動になっている。 これには何か特別な背景があるのだろうか,今後どのように展開していくのだろうか。これまでの経緯を振り返りながら,少し探ってみよう。
長いものに巻かれた?!)!)米Microsoftと電撃和解した米AOL Time Warnerの真意
ERP関連企業の買収について大きく報じられた先週だったが,筆者としてはその前の週の5月29日に報じられた米AOL Time Warnerと米Microsoft訴訟の電撃和解の方が大いに気になっている。世界中をあれほどまでに騒がせたブラウザ訴訟があっさりと終わってしまうからだ。米Netscape Communications社買収には100億ドルが投じられたと言われるが,AOL Time Warner社は今回,7億5000万ドルをMicrosoft社から受け取るだけでIEに鞍替えする。いったい何があったのだろうか?
一人勝ちの米Dell,その強さの秘密は?
5月15日,米Dell Computerが好調な2003年2~4月期決算を発表した。売上高は前年同期比18%増,最終利益は31%増という勢いである。Dell社のこうした好調ぶりはパソコン市場全体を反映したものではない。Dell社だけが,なかなか回復の糸口が見いだせない市場で,一人勝ち続けているのだ。今回は,米メディアの各種情報を拾いながら,こうしたDell社の強さ,これに対抗する大手ハードウエア・メーカーの動きなどについて見てみたい。
さっそく試してみた,Appleの音楽配信サービス
米Apple Computerが4月28日に米国で始めた,デジタル音楽のダウンロード販売サービス「iTunes Music Store」がなかなか好評のようだ。Apple社は今週になって「サービス開始から最初の1週間で100万曲以上を売った」と発表,また同サービスのクライアント・ソフトである「iTunes 4」のダウンロード件数もすでに100万件を超えているという。 そこで,筆者もさっそくiTunes 4をダウンロードしてみた。
出そろったIT企業各社のQ1決算,景気回復はいつ?
米国で先週から今週にかけて大手企業の業績報告が相次いだ。米Microsoft,米IBM,米Intel,米AMD,米Apple Computer,米Sun Microsystemsなどが2003年1~3月期の決算を発表したが,これらの業績報告を1つ1つ見てみると各社の状況は一様でない。Microsoft社やIBM社のように増収増益の企業もあるが,米Intelのように横ばい,AMD社のように売上高が大きく落ち込んだ企業もある。昨年の初め,「世界のIT業界は1年かけて緩やかに回復する」と言われていたが,それは実現しなかったことになる。
米国で大人気の「blog」,何が人々を魅了しているのか
イラク戦争を機に,日本の大新聞でも「ブログ」が取り上げられるようになった。英語では「blog」と書くのだが,今,米国では情報流通の手段として,このblogがもてはやされている。 blogとは「Web log」を短くし […]
無線LANでノートPC市場の拡大狙う米Intelの「Centrino」
米Intelが先ごろ市場投入した「Centrino」は本国の米国でも大きく報じられているが,その論調にはあまりポジティブなものがない。例えば,「Intel,無線LAN市場に本格参入も前途は多難」「当面はライバル各社の方が有利」といった具合。ところが当のIntel社はというと,これまでになかった複合的なブランド戦略を展開し,そのマーケティングには巨額を投じている。Intel社の資料に目を通してみると,同社がCentrinoで描く構想は,米メディアが多く報じているような,単なる無線LANのコンポーネント市場への参入だけに留まらないことがことが分かる。
Google対抗策を打ち出した,検索結果のオークション会社
昨年の8月,本コラムでは「検索エンジンを使った広告手法」についてレポートした。その概要は,「検索エンジンがデータ収集する“クセ”を研究し,それによって得た知識やテクニックを使って,企業などが自社サイトを検索結果画面の上位に表示させるべくWebページを作成している」というものだった。こうした“自社サイトの上位表示”をテクニックを駆使して行うのではなく,お金で買ってしまうという方法もある。
Microsoftが仮想マシン技術の買収で手に入れたもの
先週,米Microsoftは,米Connectixから仮想マシン(Virtual Machine)技術を買収したと発表した。これは1台のパソコン上で複数のOSを同時に稼働させることができるソフトウエアだ。Connectix社は「Virtual PC」と呼ぶファミリ名で販売している。メディアや開発者コミニュティの間ではその狙いについて取りざたされている。ところが,Virtual PCファミリの生い立ちを振り返ってみると,“歴史の皮肉”としか言いようのない構図が浮かび上がってくる。