今年の「US NEWSの裏を読む」はこれで最後の回となる。読者の皆様には1年間本コラムにお付き合いいただき,感謝の気持ちでいっぱいである。前回はそうした意味を込めて,人物に焦点を当てながら2002年のIT業界を振り返ってみた(「2002年米IT業界で笑った人,泣いた人」)。今回はその第2弾として,企業に目を向けてみる。今年1年間の,「US NEWS FLASH」や本コラムで取り上げた出来事,そして米メディアの報道などを拾って,2002年のIT業界を振り返ってみたい。
アーカイブ 2002
2002年米IT業界で笑った人,泣いた人
2002年も早いものですでに12月。その12月ももう後半である。この「US NEWSの裏を読む」は今年の1月に始まったので,まもなく,まる1年をむかえる。今週は「人物」にフォーカスをあてて,2002年を振り返る。スポットライトを当てるのは,し烈な多数派工作を繰り広げたHP-Compaqの買収劇,そして,史上最大の倒産劇となった米WorldComである。
Office新戦略の第二弾,米Microsoftの「OneNote」とは?
Bill Gates氏はCOMDEX Fallの基調講演の中で,「OneNote」と呼ぶソフトのデモを行った。米メディアの記事を見ていると,今のところ好意的な論調が目立つ。米メディアの辛らつな論調に慣れている筆者としては,これは意外だった。もちろん,OneNoteはまだ適切な評価を下せる段階ではないが,Microsoftの今後の戦略,特にOfficeとTablet PCの次の一手を占う上で重要なソフトであることは間違いないだろう。
「統一Linux」が目指すもの
ラスベガスで先週開催されたCOMDEX Fall 2002で,Linux業界にとって大きな発表があった。「UnitedLinux」の初版がついに完成したのだ。 UnitedLinuxとは,企業向けLinuxディストリ […]
金融機関を脅かすクラッカ・シンジケートが急増中
ここ最近,金融機関を狙うクラッカ(悪意のあるハッカー)の集団が急増している,というニュースをよく目にする。この11月に入ってからもComputerworld誌のオンライン版が「クラッキング・シンジケートが金融機関を脅か […]
再び登場した米マイクロソフトの“内部文書”
先週の本コラムで,「独禁法裁判を切り抜けた米マイクロソフトに忍び寄るLinux勢力」という記事を掲載した。実は偶然だったのだが,この記事の掲載日であった11月8日(日本時間),「Microsoft社の対オープン・ソース戦略に関する内部文書がリークされた」というニュースが世界を駆けめぐった。
独禁法裁判を切り抜けた米マイクロソフトに忍び寄るLinux勢力
4年半に及んだ米政府と米Microsoftの反トラスト法(米独禁法)訴訟が終焉を迎えそうだ。ワシントン連邦地裁のColleen Kollar-Kotelly判事は先週金曜日,司法省と同社が昨年11月に合意に達した際に作成した和解案を大筋で認めたのだ。Microsoft社と司法省の間では早ければ8日にも正式和解が成立する見込みだ。 そうした中,米New York Timesのオンライン版が「Microsoft社に立ちはだかる新たなハードル」と題する記事を掲載した
完全有料化でAOLに正面勝負を挑むMSN
先週から今週にかけて連日,米メディアを賑わしている話題がある。米Microsoftが新たに立ち上げたインターネット・サービス「MSN 8」だ。同社は24日にニューヨークのセントラル・パークで大規模なカウントダウン・イベントを開催した。ここに米Walt Disney会長兼CEOであるMichael Eisner氏を招き,両社が共同開発した会員向け新サービスも発表したのだ。
IT業界の期待ははかない夢に。年内の需要回復は実現せず
先々週から今週にかけて,大手IT関連企業の決算発表が相次いだ。2002年第3四半期の業績報告である。実は今年始め,これら大手の幹部やアナリストのあいだでは「業界の景気は今年後半に緩やかに回復する」という見方が多く,「US NEWS FLASH」でもそうした観測を伝えてきた。しかし1年の4分の3が過ぎた今,これら大手IT企業の業績を見ると,それが当初の予測通りに進んでいないことがよく分かる。
マイクロソフトがサーバーとOfficeで打ってきた新手の意味
ここのところ米Microsoftのビジョン(新製品計画・新構想計画)の発表が相次いでいる。業務プロセスの統合を目指す新計画「Jupiter(ジュピター)」,Microsoft Office XPの次期版「Office […]