本コラムでは昨年夏,米AOL Time Warnerの不正会計疑惑に関する話題を取り上げた。その後の同社を巡っては,とても尋常とは思えない話が相次いでいる。史上最大の巨額赤字,幹部役員の交替劇,米AOL (America Online)の業績不振である。AOLについては「ここ数年来初めての会員数減少」という事態にも陥っている。「いったいAOL Time Warnerはどうなってるの?」と考えている方も多いのではないだろうか。
MS vs ソニー,デジタル・メディアを巡り新たな戦い始まる
1月29日,日本で「Microsoft Windows Media 9シリーズ」最終版のリリースが始まった。これは米Microsoftのデジタル・メディア・プラットフォーム「Windows Media Player 9 Series」の日本語版。米国では今年1月7日にリリースされたものだ。Microsoft社はこのWindows Media 9 Seriesで,Windowsを中核としたデジタル・メディアの世界を築こうとしている。1月8日にも,CESの開幕に先立ち,同社会長兼Chief Software ArchitectのBill Gates氏がパソコンを中心に据えたデジタル・エンターテインメントの世界を描いてみせた。ところが今年のCESでは,Gates氏の描く世界に異を唱えた人物がいる。ソニーの社長兼COOである安藤国威氏である。
54M無線LANの主役は「g」に決まり
年明け早々に開催されたMACWORLD EXPOで,米Apple Computerが新型の「PowerBook」を発表した。同社CEOのSteve Jobs氏が基調講演の中で,「ノート・パソコンでは業界最大のディスプレイ」(同氏)を持つPowerBookと,iBookよりもさらに小さいPowerBookを発表し,皆を驚かせた。ところがこの基調講演の中でJobs氏はもう1つ意外なものを発表している。IEEE802.11g規格を採用した無線LAN製品「AirPort Extreme」(日本での製品名は「AirMac Extreme」)である。
淘汰が進んだ2002年の米IT業界
今年の「US NEWSの裏を読む」はこれで最後の回となる。読者の皆様には1年間本コラムにお付き合いいただき,感謝の気持ちでいっぱいである。前回はそうした意味を込めて,人物に焦点を当てながら2002年のIT業界を振り返ってみた(「2002年米IT業界で笑った人,泣いた人」)。今回はその第2弾として,企業に目を向けてみる。今年1年間の,「US NEWS FLASH」や本コラムで取り上げた出来事,そして米メディアの報道などを拾って,2002年のIT業界を振り返ってみたい。
2002年米IT業界で笑った人,泣いた人
2002年も早いものですでに12月。その12月ももう後半である。この「US NEWSの裏を読む」は今年の1月に始まったので,まもなく,まる1年をむかえる。今週は「人物」にフォーカスをあてて,2002年を振り返る。スポットライトを当てるのは,し烈な多数派工作を繰り広げたHP-Compaqの買収劇,そして,史上最大の倒産劇となった米WorldComである。
Office新戦略の第二弾,米Microsoftの「OneNote」とは?
Bill Gates氏はCOMDEX Fallの基調講演の中で,「OneNote」と呼ぶソフトのデモを行った。米メディアの記事を見ていると,今のところ好意的な論調が目立つ。米メディアの辛らつな論調に慣れている筆者としては,これは意外だった。もちろん,OneNoteはまだ適切な評価を下せる段階ではないが,Microsoftの今後の戦略,特にOfficeとTablet PCの次の一手を占う上で重要なソフトであることは間違いないだろう。
「統一Linux」が目指すもの
ラスベガスで先週開催されたCOMDEX Fall 2002で,Linux業界にとって大きな発表があった。「UnitedLinux」の初版がついに完成したのだ。 UnitedLinuxとは,企業向けLinuxディストリ […]
金融機関を脅かすクラッカ・シンジケートが急増中
ここ最近,金融機関を狙うクラッカ(悪意のあるハッカー)の集団が急増している,というニュースをよく目にする。この11月に入ってからもComputerworld誌のオンライン版が「クラッキング・シンジケートが金融機関を脅か […]
再び登場した米マイクロソフトの“内部文書”
先週の本コラムで,「独禁法裁判を切り抜けた米マイクロソフトに忍び寄るLinux勢力」という記事を掲載した。実は偶然だったのだが,この記事の掲載日であった11月8日(日本時間),「Microsoft社の対オープン・ソース戦略に関する内部文書がリークされた」というニュースが世界を駆けめぐった。
独禁法裁判を切り抜けた米マイクロソフトに忍び寄るLinux勢力
4年半に及んだ米政府と米Microsoftの反トラスト法(米独禁法)訴訟が終焉を迎えそうだ。ワシントン連邦地裁のColleen Kollar-Kotelly判事は先週金曜日,司法省と同社が昨年11月に合意に達した際に作成した和解案を大筋で認めたのだ。Microsoft社と司法省の間では早ければ8日にも正式和解が成立する見込みだ。 そうした中,米New York Timesのオンライン版が「Microsoft社に立ちはだかる新たなハードル」と題する記事を掲載した