米アマゾン(Amazon.com)による食料品事業の再構築が、着実に進展している。同社が2025年末にかけて矢継ぎ早に打ち出した一連の施策は、長年の課題であった「日常的な食の購買」を、自社の巨大な物流エコシステムへ取り込むことを目的としたものだ。本稿では、同社が昨年12月に実施した配送網の拡大と、超高速配送の試験運用を軸に、その戦略的意図と業界への影響を整理する。
物流網の統合がもたらした購買行動の変化
アマゾンは昨年12月、生鮮食料品の当日配送網を従来の約1000都市から、全米2300都市規模へと拡大した。この施策の本質は、単なるエリア拡大ではない。食料品を日用品や家電といった一般商品と同一の配送ラインに統合した点にある。
従来、同社における食料品は専用の配送枠や個別手続きを必要とする独立カテゴリーとして扱われてきた。しかし、昨年8月から段階的に進められた統合により、顧客はたとえば「バナナや牛乳」と「書籍や小型家電」を同一カートに入れ、数時間以内に受け取ることが可能になった。
この変化は数値にも表れている。同社によれば、当該サービスの利用者は、非利用者に比べて購買頻度が約2倍に達した。また、高速配送の売れ筋上位10品のうち9品目を生鮮食料品が占めている点も重要だ。従来は非食品ECの「ついで買い」として位置づけられていた食料品が、現在では購買行動そのものを駆動する役割を担い始めている。

本記事は、流通・小売業界 ニュースサイト「ダイヤモンド・チェーンストアオンライン」向けに弊社が執筆した記事「アマゾンで「バナナと家電」を一緒に買う時代へ 全米で加速する食料品戦略の全貌」の一部です。全文は、ダイヤモンド・チェーンストアオンラインのサイトにてお読みください。
