2026年2月、米アマゾン(Amazon.com)は生成AIアシスタント「アレクサプラス(Alexa+)」を、米国のプライム会員特典として追加料金なしで提供すると発表した。これに先立って、1月には従来の音声インターフェースに加え、パソコンなどのウェブブラウザで利用可能な「アレクサ・ドット・コム(Alexa.com)」も開設している。一連の施策は、同社のAI戦略が「実験フェーズ」から、巨大な顧客基盤をテコにした「社会実装フェーズ」へと移行しつつあることを示唆する。
「ECリーダーのジレンマ」を超えて
25年末にかけて、アマゾンは難しい経営判断を迫られていた。米オープンAI(OpenAI)や米グーグル(Google)などが提供する「ショッピングエージェント」が台頭し、アマゾンのサイトを訪れずに購買を完結させる消費行動が広がっていたためだ。
自社のEC基盤を外部AIに開放すれば顧客接点を失うリスクがある。一方で、外部との連携を拒めば、利便性の面で他社に遅れをとりかねない。この「ECリーダーのジレンマ」に対し、アマゾンが示した方向性が「自社エージェントの圧倒的な高機能化」と「囲い込み」の強化である。
高機能版「アレクサプラス」は、当初は有料サービスになるとみられていた。アマゾンがこれをプライム会員に無償提供すると決断したことは、非常に大きな意味を持つ。これにより、1億8000万人規模の米国プライム会員を即座に最新のAIエージェントの利用者として取り込み、他社サービスへの流出を抑える受け皿を整えたことになるためだ。同時に、同社は非会員向けにも無料のチャット機能を開放し、自社AIを利用する裾野の拡大を図っている。

本記事は、流通・小売業界 ニュースサイト「ダイヤモンド・チェーンストアオンライン」向けに弊社が執筆した記事「なぜアマゾンはAI「Alexa+」をプライム会員特典にしたのか?「生活OS」への野望と課題」の一部です。全文は、ダイヤモンド・チェーンストアオンラインのサイトにてお読みください。
