先週,米Microsoftは,米Connectixから仮想マシン(Virtual Machine)技術を買収したと発表した。これは1台のパソコン上で複数のOSを同時に稼働させることができるソフトウエアだ。Connectix社は「Virtual PC」と呼ぶファミリ名で販売している。メディアや開発者コミニュティの間ではその狙いについて取りざたされている。ところが,Virtual PCファミリの生い立ちを振り返ってみると,“歴史の皮肉”としか言いようのない構図が浮かび上がってくる。
アーカイブ 2月 2003
ブロードバンドが世界最大のプロバイダ,AOLを揺るがす
本コラムでは昨年夏,米AOL Time Warnerの不正会計疑惑に関する話題を取り上げた。その後の同社を巡っては,とても尋常とは思えない話が相次いでいる。史上最大の巨額赤字,幹部役員の交替劇,米AOL (America Online)の業績不振である。AOLについては「ここ数年来初めての会員数減少」という事態にも陥っている。「いったいAOL Time Warnerはどうなってるの?」と考えている方も多いのではないだろうか。
MS vs ソニー,デジタル・メディアを巡り新たな戦い始まる
1月29日,日本で「Microsoft Windows Media 9シリーズ」最終版のリリースが始まった。これは米Microsoftのデジタル・メディア・プラットフォーム「Windows Media Player 9 Series」の日本語版。米国では今年1月7日にリリースされたものだ。Microsoft社はこのWindows Media 9 Seriesで,Windowsを中核としたデジタル・メディアの世界を築こうとしている。1月8日にも,CESの開幕に先立ち,同社会長兼Chief Software ArchitectのBill Gates氏がパソコンを中心に据えたデジタル・エンターテインメントの世界を描いてみせた。ところが今年のCESでは,Gates氏の描く世界に異を唱えた人物がいる。ソニーの社長兼COOである安藤国威氏である。