2003年も残すところ数日となった。思えば今年の初め,IT業界について大きな懸念があった。イラク戦争やSARSの影響から,業界の景気回復などは当分見込めないと言われていたからだ。しかし,最近の記事では,IT業界の本格的な回復を予見させるものが増えてきた。だが,今の米国経済には1つだけ大きなウイーク・ポイントがあると言われている。IT関連の雇用が海外へ流出し,いっこうに止まらないという問題である。
アーカイブ 2003
米Microsoftが変身,知的財産戦略の見直しで狙うもの
ここ最近,米Microsoftの動きに大きな変化が表れている。感謝祭の週が終わって最初に発表したのは,知的財産ライセンス供与の新たな計画(関連記事)である。これまで自社の知的財産についてかたくなに保護主義だった同社が, […]
米Red Hatが戦略転換,「Fedora Core」が意味するもの
先ごろ米Red Hatが新たなLinuxディストリビューションを発表した。その名は「Fedora Core 1」。Red Hat社は同時に,同社が今後カーネル2.6ベースのディストリビューション「Fedora Core 2」の開発に取り組んでいくことも明らかにした。この「Fedora」(フェドラ)という名称は,コミュニティ・プロジェクト「Fedora Linux」からとったものだ。Red Hat社は,自社のオープンソース開発プロジェクトとこのコミュニティを統合させ,新たに「Fedora Project」を立ち上げた。今回のディストリビューションはこの新設プロジェクトによってリリースされた。
米Amazonの全文検索は“デジタル万引き”と同じ? 賛否両論が渦巻く
みなさんはもう米Amazon.comの書籍全文検索サービス「Search Inside the Book」を利用されただろうか? 同社がオンライン販売する書籍のうち,12万冊以上,総ページ数3300万ページを対象とした […]
巨人MSを揺るがす特許侵害訴訟—全世界のネット利用者を巻き添えに
10月7日,マクロメディアから一風変わったメールが送られてきた。表題に「【重要】」と付いたメールで,内容は「将来のInternet Explorer(IE)の仕様変更がMacromedia FlashおよびShockwaveを使用したサイトに与える影響と対策について」というものだ。実はこれ,同社のメール配信サービスに登録しているユーザーに向けて送られたもの。日本時間の同日に米MicrosoftがIEの仕様変更に関する発表を行い,それとほぼ同時に配信された。この仕様変更は,米Eolas Technologiesこの仕様変更は,米Eolas TechnologiesがMicrosoft社を訴えていた裁判の結果によるものだ。
猛反発を食らった米VeriSignの「Site Finder」
10月の第1週まで,インターネット上でちょっとした異変が起きていたのにお気づきになっただろうか? WebブラウザのURLアドレス・バーにURLを打ち込んで,それがスペル・ミスなどで実在しなかった場合,通常のエラー・メッセージの代わりに見慣れない画面が現れた。これは,米VeriSignが9月15日から始めた「Site Finder」というサービスの画面だ。
米国で「身元情報の窃盗」被害者が1000万人に。対策はいかに?
「ID theft」(アイディー・セフト)をご存じだろうか。ここ最近米メディアで頻繁に登場する言葉だ。日本語にすれば「身元情報の窃盗」となるだろうか。個人情報の漏えいといった漠然としたものとは異なり,情報を不法に取得し […]
米国で導入が進まない「コピー・コントロールCD」
米国ではここのところ音楽業界に関する話題が多い。例えば米国時間9月8日には,米レコード協会がネットで音楽ファイルの無料交換を行っていたとする261人の個人ユーザーを提訴した。その前週には,米Universal Musicが音楽CDの出荷価格を値下げすると発表したばかり。ところが,意外にも米国からはあまり聞こえてこない話がある。日本や欧州で今,急速に導入されている「コピー・コントロールCD」(CCCD)である。
「LinuxはUNIXの海賊版」と主張するSCOの3つの弱点
米The SCO Groupの「Linux知的財産権侵害問題」が業界で波紋を広げている。同社は今年3月,同社のUNIXソース・コードがLinuxカーネルに不当にコピーされたとして米IBMを訴えた。「LinuxはUNIXの海賊版」などとし,Linuxを商用利用している企業ユーザー,約1500社に対し警告文を送りつけた。そして7月,こうした企業に対し知的財産のライセンス料を請求していく意向を正式表明,8月5日にライセンス料を発表し,料金徴収を始めた。
Napsterも音楽配信サービスに参入!本当に普及するのか?
米国時間7月28日,米Roxioはデジタル音楽配信サービスを今年のクリスマスまでに始めると発表した。その名は「Napster 2.0」。あのNapsterが装いも新たに復活するのだ。とは言っても,今度は完全合法の有料サービスとして登場してくるという。米国では,米Apple Computerが今年4月末に始めたデジタル音楽販売サービスが人気を得ているという。同様のサービスはほかにもたくさんあるため,Napster 2.0は後発組になる。