米グーグル系自動運転開発会社の米ウェイモが、自動運転車を使ったタクシー(ロボタクシー)事業の拡大を加速させている。カナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナルと共同運営する米南西部アリゾナ州の工場で生産能力を2026年末までに倍増する計画を発表した。
これに先立つ2025年4月下旬には、週当たりの有償配車件数が25万回を超えたことを明らかにした。さらに、5月20日には、同社共同CEO(最高経営責任者)テケドラ・マワカナ氏が、サービス提供回数が累計1000万回に到達したと発表した。同社は、トヨタ自動車との戦略的提携の検討も始めている。将来的な個人所有車への技術展開も視野に入れるなど、サービス拡大と新たなビジネスモデル構築に向けた動きが活発化している。
生産・サービス両面で規模拡大
ウェイモとマグナは、アリゾナ州メサに新設した「ウェイモ・ドライバー統合工場(Waymo Driver Integration Plant)」において、現在主力として運行する電気自動車(EV)「ジャガーI-PACE(アイ・ペース)」ベースのロボタクシーを2026年末までに、さらに2000台以上組み立てる予定だ。これにより、車両規模は大幅に増強される。同工場では2025年後半から、より先進的な第6世代の自動運転システム「Waymo Driver」を搭載した中国・吉利汽車(Geely)系の高級EVブランド「Zeekr(ジーカー)」の「RT」をベースとした新型ロボタクシーの生産も開始する予定で、将来的には年間数万台規模の生産能力を目指す。
生産拡大の背景には、ロボタクシーサービスへの着実な需要増がある。ウェイモの週当たりの有償配車(ドライバーレス)件数は、2月時点の20万件から、4月下旬には25万件超に達した。前述した通り、5月20日には、同社共同CEOのマワカナ氏がウェイモのサービス提供回数が累計1000万回に達したことを、年次技術イベント「Google I/O(アイオー)」の会場で米CNBCに明らかにした。過去5カ月で倍増した。
同社は3月に米南部テキサス州オースティンでサービスを開始した。同月には米西部カリフォルニア州のサンフランシスコとシリコンバレーを合わせたベイエリア周辺のサービス提供地域を拡大しており、これらが奏功したようだ。

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