株式会社ニューズフロント

GAFA情報の速報・解説・研究

When autocomplete results are available use up and down arrows to review and enter to go to the desired page. Touch device users, explore by touch or with swipe gestures.
  • GAFA総合研究所
  • 事業紹介
  • 会社概要
  • 2025年10月26日

世界市場を狙う中国2社、LenovoとHuaweiがスマホを重視する理由とは

2013年7月5日

ここのところ中国のIT大手2社、Lenovo Group(聯想集団)とHuawei Technologies(華為技術)の動きが顕著になってきた。パソコン大手のLenovoは米国スマートフォン市場への進出を狙っている。通信機器大手のHuaweiはフィーチャーフォンメーカーからの完全脱却を目指し、自社ブランドの強化を図っている。

いずれも共通するのは、本国の中国市場でスマートフォン事業が好調なこと。両社はこの勢いに乗り、世界市場でシェアを拡大したいと考えているようだ。

Lenovo、パソコンが好調も新たな成長エンジンを模索

このうちLenovoと言えば、低迷する世界のパソコン市場で唯一好調を維持しているパソコンメーカーである。市場調査会社の米IDCによれば、2013年1〜3月期のLenovoの出荷台数は1170万台で、首位の米Hewlett-Packard(HP)の1199万台とは僅差の2位に付けている。Lenovo自身も決算発表で、2013年3月末までの1年間で業界全体のパソコン出荷台数が8.1%も減少したのに対し、Lenovoは10.2%も伸びたとしている。

だがIDCによると、2013年1〜3月期の世界パソコン出荷台数は同社が統計を取り始めた1994年以降最大の落ち込み。上位5社の中ではLenovoだけが前年同期比の横ばいで、ほかは軒並み2桁台の落ち込みだった。

そうした中、Lenovoはパソコン以外の市場で成長を維持していきたいと考えている。同社の楊元慶・最高経営責任者(CEO)兼会長は先ごろ米Wall Street Journalのインタビューに応じ、「長期的な成長のための新しい成長エンジンを探っており、スマートフォンがその新たな機会になる」と述べている。

Wall Street JournalによるとLenovoは、昨年から中国以外の市場でスマートフォン事業を拡大しており、まず手始めにインド、ロシア、インドネシアといった新興国市場に進出。そして次に狙うのが米国と欧州の市場だという。楊CEOは「今後1年以内に米国のスマートフォン市場に進出したい」とWall Street Journalに話している。

楊CEOがこうしてスマートフォン分野に自信を示すのには根拠がある。米Strategy Analyticsがまとめた中国のスマートフォン市場調査によると、昨年1年間の中国におけるLenovoの販売台数シェアは13.2%で、韓国Samsung Electronicsの17.7%に次いで2位となった。Lenovoのシェアは前年の4%から大きく拡大し、米Appleの11%、Huaweiの9.9%、中国Coolpad(酷派)の9.7%を上回った。

狙うは「モバイル」と「北米」、米Yahoo!の共同創業者を迎え入れ

楊CEOのこれらの発言と直近の決算を照らし合わせると、Lenovoが現在置かれている状況が分かってくる。今年1〜3月期における同社の全売上高に占めるパソコン事業の売り上げは約83%。一方でスマートフォンを含むモバイル関連事業はまだ9%程度だ。また地域別の売り上げ比率を見ると「中国」が40%で最も多く、この後「アジア太平洋・中南米地域」が21%、「欧州・中近東・アフリカ地域」が24%、「北米」が15%となっている。つまり、楊CEOは「モバイル」と中国以外の市場、とりわけ「北米」に成長の余地があると考えているのだ。

なおLenovoは今年2月に米Yahoo!の共同創業者Jerry Yang氏を取締役会オブザーバーとして迎え入れた。LenovoはYang氏起用の具体的な理由を明らかにしていないが、英Reutersなどは、スマートフォンやタブレット端末などLenovoのモバイル事業拡大の一環と伝えている。

Lenovoについては、香港証券取引所に同社が提出した書類で、スマートフォンの合弁事業設立に関して他社と協議していることも明らかになっている。この「他社」についてLenovoは何も明かしていないが、Reutersは、日本国内でパソコン事業を統合しているLenovoとNECが、今年の初めから事業の売却や提携の可能性について協議していたと伝えている。この協議が今どのように進んでいるのか明らかではないが、Lenovoはスマートフォン分野でも買収などを通じた事業拡大を狙っているとReutersなどは伝えている。

続きを読む
ITpro

本記事は、日経BP社の総合ITサイト「ITpro」向けに弊社が執筆した記事「世界市場を狙う中国2社、LenovoとHuaweiがスマホを重視する理由とは」の一部です。全文は、ITproのサイトにてお読みください。

タグ: Apple, Ascend P6, Lenovo(レノボ), Nokia, OEM, Samsung(サムスン), ジェリー・ヤン, スマートフォン, パソコン, ファーウェイ(華為技術), フィーチャーフォン, モバイル, 中国2社, 成長, 新興国市場, 欧州, 米国, 通信機器

最新の記事

  • 米アマゾン、食品PBで攻勢 5ドル以下の新ブランド投入で節約志向層狙う ECの強み生かす商品戦略、巨大な日用品市場でシェア奪取へ(2025年10月23日)
  • 米、対中ハイテク規制に新たな一手 「抜け穴」封じで子会社も禁輸対象に サプライチェーン混乱の懸念も、AI覇権争い一層激化(2025年10月22日)
  • 「ChatGPT」、決済機能導入の影響 AIが変える商品購買プロセス 7億人の利用者を新たな収益源に、小売業界に懸念も(2025年10月21日)
  • AI人材獲得競争、新局面へ 新手法「リバース・アクハイヤー」がシリコンバレー文化侵食する事実!(2025年10月19日)
  • トランプ政権、半導体で新方針か 「国産1対輸入1」報道、国内回帰へ次の一手 関税をテコに供給網の再編加速か、業界に走る期待と懸念(2025年10月17日)
  • アマゾン、英国『Fresh』を全店閉鎖 オンライン食料品でシェア拡大へ戦略転換 実店舗事業に見切り、ネット販売へ経営資源を集中(2025年10月16日)
  • OpenAI、米AIインフラへ4000億ドル超 ソフトバンクG・オラクルと計画加速 「スターゲート」具体化、次世代AIの計算資源を確保(2025年10月15日)
  • AIと成長への渇望、世界M&A市場を牽引 ハイテク主導で大型案件続出─不確実性克服 PEマネー流入も(2025年10月13日)

Copyright © 2025 · 株式会社ニューズフロント