米アマゾン(Amazon.com)は2026年4月中旬、自動車販売サービス「アマゾン・オートス(Amazon Autos)」の取り扱いブランドを大幅に拡充した。既存のヒョンデ(Hyundai)やフォード・モーター(Ford Motor)に加え、新たにスバル(SUBARU)、マツダ(MAZDA)、キア(Kia)、シボレー(Chevrolet)、ジープ(Jeep)といった有力ブランドが参画している。現在、同サービスは西部のロサンゼルスや北東部のニューヨークをはじめ、全米130以上の都市で展開されている。同サービスの特長は、オンラインとオフラインを連携させた独自の購買プロセスにある。利用者は、希望する車種やグレードの選択から、ローンの与信審査、電子署名を用いた書類手続きに至るまで、一連の作業をオンライン上で完結できる。最終的な車両の受け取り(納車)のみ、居住地域の提携ディーラーで行う仕組みだ。
巨大市場におけるデジタル化の障壁と対応
アマゾンが自動車販売に関心を寄せる背景には、その巨大な市場の存在がある。米国内における新車販売の市場規模は、年間約1兆4000億ドル(約226兆円:1ドル=161.38円換算:以下同)に達する。これほど巨大な市場規模を持ちながら、自動車販売は購買プロセスのデジタル化が遅れている小売分野の一つとされる。
その要因は、州ごとのフランチャイズ法による規制や、融資・登記に関わる複雑な書類手続きにある。加えて、高額商品ゆえに現物を確認してから購入したいという消費者の強い嗜好と、対面を前提とした従来の販売形態も、デジタル化への大きな障壁となってきた。
アマゾンはこの高い参入障壁に対し、自社で在庫を抱える「小売モデル」をあえて採用しなかった。代わりに、既存のディーラー網をシステムに組み込む「プラットフォームモデル」を選択。この手法をとることで、複雑な法規制をクリアしながら、業界全体のデジタルシフトを推進する。自らが売り手となるのではなく、取引の「場」と「インフラ」を提供することに徹した点は、同社の戦略を理解するうえで重要なポイントといえる。

本記事は、流通・小売業界 ニュースサイト「ダイヤモンド・チェーンストアオンライン」向けに弊社が執筆した記事「アマゾン、「自動車EC」を本格化の真のねらい」の一部です。全文は、ダイヤモンド・チェーンストアオンラインのサイトにてお読みください。
