株式会社ニューズフロント

GAFA情報の速報・解説・研究

When autocomplete results are available use up and down arrows to review and enter to go to the desired page. Touch device users, explore by touch or with swipe gestures.
  • GAFA総合研究所
  • 事業紹介
  • 会社概要
  • 2025年9月17日

アップル、iPhoneインド生産加速 財閥タタの新工場稼働で米関税リスク回避へ 「チャイナ・プラス・ワン」継続推進、生産目標達成には課題も

2025年5月22日

米アップルは、スマートフォン「iPhone」の主要製造拠点である中国への依存リスクと米国の対中関税の影響を回避するため、インドでの生産体制強化を加速させている。インド大手財閥タタ・グループの新工場がiPhoneの生産を開始したほか、電子機器受託製造サービス(EMS)大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業も近く新工場を稼働させる見通しで、インドが代替製造拠点としての重要性を急速に高めている。

米中対立が引き金、供給網再編の経緯

米中間の貿易摩擦が続くなか、アップルはインドを中国に代わる重要な製造拠点と位置づける戦略を進めている。これにより、サプライチェーン(供給網)の混乱リスクや、関税によるiPhone価格上昇への懸念に対応する。

トランプ米政権は中国製品に対して累計145%に達する高関税を課すなど、米中間の貿易摩擦はアップルのようなグローバル企業に大きな影響を与えてきた。直近では2025年5月12日の米中会談において、双方が互いに課した追加関税を115%ポイント引き下げることで合意し、米国の対中関税は一時的に30%まで引き下げられた。しかし、この措置は90日間という期限付きの一時休戦であり、期間終了後には一部関税(上乗せ部分の24%)が再適用され、54%となる可能性も指摘されている。

こうした中、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が2025年5月15日に報じたところによると、トランプ大統領は改めてアップルにiPhoneの米国内生産を強く求め、ティム・クックCEO(最高経営責任者)による生産の一部インド移管計画をけん制した。米政権の意向も依然として注視する必要がある。

米中が互いに100%を超える関税を課すという異例の事態はひとまず緩和されたものの、「税率がこの水準近くにとどまったとしても経済に著しい影響をもたらす公算は大きい」とする警戒感も出ている。スマホやパソコン、半導体製造装置などは、米国による相互関税の対象からは除外されているが、これらが別の枠組みで新たな関税の対象となるリスクや、地政学的な緊張によるサプライチェーンの不安定性は依然として存在する。アップルにとって生産拠点の分散は引き続き喫緊の課題だ。

続きを読む
JBpress(日本ビジネスプレス)

本記事は、日本ビジネスプレス社のサイト「JBpress(日本ビジネスプレス)」向けに弊社が執筆した記事「アップル、iPhoneインド生産加速 財閥タタの新工場稼働で米関税リスク回避へ 「チャイナ・プラス・ワン」継続推進、生産目標達成には課題も」の一部です。全文は、JBpress(日本ビジネスプレス)のサイトにてお読みください。

タグ: Apple, インド, 中国

最新の記事

  • アップルAI戦略が転換点、Siri刷新にライバルGoogleの技術採用を本格検討 音声アシスタントの性能向上急ぐ、自社開発の遅れが背景に(2025年09月11日)
  • 米商務長官の「侮辱」発言が火種:中国、NVIDIA製AIチップ購入抑制 「技術への依存」狙う米国戦略に猛反発、「技術自立」へのジレンマ(2025年09月10日)
  • OpenAIアルトマン氏、AIバブルを警告も、数百兆円規模の投資表明 過熱市場への懸念と未来への確信が交錯(2025年09月09日)
  • ベール脱ぐ「iPhone 17」、インド生産加速 米の対印関税と交錯するサプライチェーン その背景に(2025年09月07日)
  • 米Amazonのワンストップショッピングが完成形へ 「牛乳も家電と同じワンカート」 生鮮品を通常配送網に統合、利便性を武器に年末までに全米2300都市展開(2025年09月05日)
  • AIが広告業界にもたらす「破壊的変革」、大手トップが語る危機感と未来像 問われる技術との向き合い方(2025年09月05日)
  • AI人材獲得競争、新局面へ ビッグテックの自滅的行為がシリコンバレー文化を侵食 一部の成功者を生む新手法「リバース・アクハイヤー」、革新の土壌劣化へ(2025年09月04日)
  • アマゾン、AIの「嘘」見抜く新手法 ショッピングアシスタントや最先端倉庫ロボに応用 「ニューロシンボリックAI」導入、精度向上・コスト削減両立へ(2025年09月03日)

Copyright © 2025 · 株式会社ニューズフロント